夏は、紫外線・汗・虫刺されなど、肌トラブルが増える季節です。
長期連休のある方の中には、お盆の帰省やアウトドアで、普段より“草むらに入る機会”が増える方も多いと思います。
その中で、私が毎年お伝えしたいのが 「マダニによる感染症」 のこと。 私自身、大学病院で マダニ感染症の家族内感染例について執筆した経験があり、夏の時期は特に注意が必要だと感じています。
美容皮膚科のブログではありますが、 皮膚に症状が出る感染症は、一般の方が気づきにくいことがあるため、季節の注意喚起としてお伝えします。
日本で報告される主なマダニ媒介感染症は以下の3つです。
① 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
-
発熱
-
消化器症状(嘔気・下痢など)
-
倦怠感
-
血小板減少
-
重症化することがあり、致死率は10〜30%と報告されています
② 日本紅斑熱(Rickettsia japonica)
-
発熱
-
特徴的な皮疹(紅斑)
-
刺し口(黒い痂皮)が見られることがある
-
適切な治療により改善が期待できます
③ ライム病(Borrelia burgdorferi)
-
遊走性紅斑(中心から広がる赤み)
-
発熱・関節痛
-
国内でも報告あり
**ツツガムシとの関係「ダニ媒介感染症」と「ツツガムシ病」は別の感染症です**
ツツガムシ(恙虫)は、分類上はダニの仲間ですが、マダニとは別の種類です。 媒介する病原体も異なり、感染症としては「ツツガムシ病(Orientia tsutsugamushi)」を引き起こします。
ただし、
-
草むらで刺される
-
数日後に発熱
-
皮疹が出る
-
刺し口(黒い痂皮)ができることがある
といった症状が、日本紅斑熱などのマダニ感染症と似ているため、一般の方が区別するのは難しいことがあります。
夏〜秋の帰省シーズンには、どちらの感染症も念のため知っておくと安心です。
-
2026年の最新データ(愛知県)
愛知県感染症情報(2026年22週まで)では、 ダニ媒介感染症は計10件(日本紅斑熱6件、SFTS4件) と報告されています。
毎年、夏〜初秋にかけて報告が増える傾向があり、 帰省やアウトドアの機会が増えるこの時期は特に注意が必要です。
刺されたときの正しい対処
❌ 自分で取ろうとしない
マダニは皮膚に強く噛みついて吸血するため、 無理に引き抜くと 口器が皮膚内に残り、炎症や感染リスクが上昇します。
⭕ 触らず、医療機関へ相談する
-
そのままの状態で受診
-
刺された日時・場所を伝える
-
発熱や倦怠感があれば速やかに受診
※ 皮膚症状が出るため、早めに医療機関へ相談することが大切です。
予防のポイント(帰省・アウトドア前に)
-
草むらに入るときは長袖・長ズボン
-
明るい色の服(マダニが見つけやすい)
-
帰宅後は衣服と皮膚をチェック
-
ペットと一緒に帰省する場合は特に注意
夏は、
-
日焼け
-
汗荒れ
-
虫刺され
-
赤み・かゆみ など、肌トラブルが重なりやすい季節。
それでは皆さんツツガナクいってらっしゃいませ。
院長 髙田健正
