
医療レーザー脱毛は、ムダ毛の悩みを解消し、日々のお手入れを楽にしてくれる人気の施術です。
実際に脱毛によって自己処理の負担が減り、生活の質(QOL)が向上したと感じる方も多くいらっしゃいます。
一方で、医療行為である以上、副作用や合併症のリスクがゼロではありません。
当院では、安全で効果的、そして正確な医療レーザー脱毛を心がけています。今回は、医療脱毛で起こりうる代表的なトラブルやリスクについて解説します。
① やけど(熱傷)
医療レーザー脱毛で最も注意すべき合併症の一つが「やけど」です。
レーザーは毛のメラニン色素に反応して熱を発生させるため、照射条件を誤ると皮膚にも熱ダメージが及ぶことがあります。
主な原因
- 照射出力の設定ミス
- 肌の色に対する設定が適切でない
- 色素沈着部位への配慮不足
特に注意が必要な部位
- 日焼けした下腿(膝下)
- Vライン
- 鼠径部
- 外陰部
外陰部はもともと色素沈着が強く、熱傷後に色素沈着が長期間残りやすい部位です。
また、下腿は熱傷後の色素沈着が広範囲に及ぶことがあり、改善まで1~2年程度かかる場合もあります。
レーザーの種類による違い
医療脱毛では主に以下のレーザーを使用します。
- アレキサンドライトレーザー
- Nd:YAGレーザー
日焼け肌や色素沈着のある部位では、メラニンへの反応が比較的少ないNd:YAGレーザーが適しています。ただし、痛みを感じやすいという特徴があります。
② 炎症後色素沈着
やけどや強い炎症の後に起こる色素沈着です。
皮膚が茶色く残った状態となり、特に腕や脚、体幹では改善まで長期間を要することがあります。
悪化要因
- 紫外線
- 掻く・こする
- 摩擦による刺激
本来は自然に改善することが多いものの、刺激が続くと色素沈着が長引く場合があります。
治療方法
- トラネキサム酸内服・外用
- ビタミンC内服・外用
- ハイドロキノン外用
などが改善をサポートします。
③ 色素脱失(白抜け)
熱傷後にまれに起こる合併症です。
メラニンを作る細胞(メラノサイト)がダメージを受けることで、皮膚の色が白く抜けてしまいます。
特徴
- 元の肌色に戻らないことがある
- 有効な治療法が限られている
- 改善する場合も長期間を要する
レーザー脱毛による発症頻度は非常に低いとされていますが、重度の熱傷では起こりうるリスクです。
④ 脱毛効果への不満
実は脱毛トラブルで最も多いのが、効果に対する認識の違いです。
「永久脱毛=一生毛が生えない」ではない
医学的には「永久脱毛」ではなく、「永久減毛」という考え方が用いられます。
つまり、
毛が著しく減った状態が長期間維持されること
を意味しており、完全に毛がなくなることを保証するものではありません。
そのため、
- 数本残る
- 細い毛が残る
- 数年後に再び毛が目立つ
という可能性もあります。
効果が出やすい部位・出にくい部位
効果が出やすい部位
- ワキ
- 下腿
- Vライン
- 男性のヒゲ
黒く太い毛ほどレーザーに反応しやすく、高い効果が期待できます。
効果が出にくい部位
- 上腕
- 前腕
- 肩
- 背中
- うなじ
- フェイスライン
- 太もも
産毛や細い毛はレーザーの反応が弱く、一時的な減毛にとどまることも少なくありません。
⑤ 硬毛化
医療脱毛で知っておいていただきたい代表的な副作用の一つです。
本来減るはずの産毛が、逆に太く濃くなってしまう現象を「硬毛化」と呼びます。
起こりやすい部位
- 上腕
- 前腕
- 肩
- 背中
- うなじ
- フェイスライン
- 太もも
いずれも産毛が多い部位です。
起こりやすい方
- 若い女性
- 色白の方
- 軟毛が多い方
治療開始から3~5回程度で気づかれることが多く、発症率は5~10%程度とされています。
なぜ起こるの?
はっきりした原因は分かっていません。
十分に毛根を破壊できない程度の熱刺激が加わることで、
- 血流増加
- 炎症反応
- 成長因子の活性化
などが起こり、逆に毛が成長してしまうと考えられています。
対応方法
- 高出力で再照射する
- Nd:YAGレーザーを使用する
- 半年~1年ほど経過観察する
場合によっては自然に改善することもあります。
⑥ 誤照射
頻度は高くありませんが、照射範囲の誤りによるトラブルもあります。
注意が必要な部位
刺青・タトゥー
レーザーが反応し、色が変化したり消失したりする可能性があります。
眉毛
眉周囲をギリギリまで照射すると、形が変わったり一部が薄くなったりする場合があります。
Vライン
希望したデザインと異なる形になる可能性があります。
当院ではマーキングや保護テープを使用し、十分注意しながら施術を行っています。
当院が大切にしていること
医療レーザー脱毛は、非常に満足度の高い治療です。
しかし、
- やけど
- 色素沈着
- 硬毛化
- 効果の限界
などのリスクも存在します。
特に産毛の多い部位では、
- 効果が限定的な場合があること
- 硬毛化のリスクがあること
を事前にしっかりご説明し、ご理解いただいた上で施術を行うことが重要だと考えています。
当院では、患者様一人ひとりの肌質や毛質、治療部位に合わせてレーザー機器や照射条件を選択し、安全性と効果の両立を目指しております。
医療脱毛をご検討中の方は、不安なことや疑問点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
統括部長 牧野莉央
