「若い頃に入れたタトゥーを消したい」「就職や転職をきっかけに入れ墨を除去したい」「アートメイクの色味やデザインを修正したい」といったご相談は年々増えています。
近年では、タトゥーやアートメイクの除去にはレーザー治療が第一選択となることが多く、メスを使わずに色素へ直接アプローチできることが大きな特徴です。
当院ではQスイッチルビーレーザーを使用し、タトゥー・入れ墨・アートメイクの除去を行っています。ただし、一度の治療で完全に消えるケースは少なく、多くの場合は数か月ごとに5~10回程度、色や深さによってはそれ以上の治療が必要になることがあります。また、最終的に完全な除去が難しい場合もあるため、治療前に十分な説明を受けることが大切です。
◎Qスイッチルビーレーザーとは?
Qスイッチルビーレーザーは、694nmの波長を持つ医療用レーザーです。この波長は黒色や青色の色素に反応しやすく、タトゥー・入れ墨・アートメイクに含まれる色素を効率よく破壊できることから、色素性病変や刺青除去に広く使用されています。
レーザーはナノ秒(10億分の1秒)という非常に短い時間で高いエネルギーを照射し、色素だけを瞬間的に細かく砕きます。この作用は「選択的光熱作用」と呼ばれ、周囲の正常な皮膚へのダメージをできるだけ抑えながら治療を行えることが特徴です。
砕かれた色素は、体内の免疫細胞であるマクロファージに取り込まれ、リンパの流れに乗って少しずつ体外へ排出されます。そのため、レーザーを照射した直後に消えるわけではなく、数週間から数か月かけて徐々に色が薄くなっていきます。
◎Qスイッチルビーレーザーの特徴
・黒色・青色のタトゥーに高い効果
Qスイッチルビーレーザーは、黒色や青色の色素への反応性が高く、一般的なタトゥーや入れ墨、眉のアートメイクなどに高い効果が期待できます。
一方で、赤色・黄色・緑色・白色などのカラータトゥーはレーザーへの反応が異なるため、十分な効果が得られないことがあります。また、色によっては治療回数が増えたり、他のレーザーとの併用が必要になる場合もあります。
・正常な皮膚へのダメージを抑えられる
レーザーは色素に選択的に反応するため、周囲の正常な皮膚への影響を最小限に抑えながら治療を行うことができます。
切除手術のように皮膚を切開する必要がないため、比較的傷跡を残しにくいことも大きなメリットです。
・少しずつ薄くしていく治療
タトゥーの色素は皮膚の深い部分まで存在していることが多く、一度の照射だけで完全に除去することは困難です。
色素を少しずつ砕いて排出するため、通常は数か月間隔で複数回の治療を行います。色の濃さや深さ、範囲、使用されているインクの種類によって必要な回数は異なります。
- レーザー治療のメリット
Qスイッチルビーレーザーによる治療には、次のようなメリットがあります。
- メスを使わずに治療できる
- 切開による傷跡を残さずに除去を目指せる
- 正常な皮膚へのダメージを抑えながら治療できる
- 日帰りで施術が可能
- 施術後の運動制限がほとんどない
身体への負担を抑えながら治療を進められるため、多くの方に選ばれている治療法です。
▲レーザー治療の注意点・デメリット
一方で、レーザー治療には知っておいていただきたい点もあります。
まず、一度で完全に消える治療ではありません。多くの症例で複数回の照射が必要となり、治療期間は半年から数年に及ぶこともあります。
また、すべての色素が完全に消えるとは限りません。色が薄くなっても、もともとの絵柄や文字の輪郭がうっすら残る「ゴーストイメージ」と呼ばれる状態になることがあります。
さらに、白色や黄色など一部の色素は反応しにくく、成分によってはレーザー照射後に黒く変色(黒色化)することもあります。そのため、カラータトゥーでは事前の診察が特に重要です。
〇副作用・リスクについて
施術後には以下のような症状がみられることがあります。
- 赤み
- 腫れ
- 痛み
- かさぶた
- 水ぶくれ
- 色素沈着
- 色素脱失(白く抜ける)
- まれに瘢痕(傷跡)
これらの多くは一時的な反応ですが、皮膚をきれいに治癒させるためには、施術後の紫外線対策や保湿などのアフターケアが重要になります。
☆まとめ
タトゥーやアートメイクは、大きさや色、深さ、使用されている色素の種類によって治療方法や必要回数が大きく異なります。
当院では、タトゥーの状態を丁寧に診察したうえで、治療回数の目安や期待できる効果、リスクについて十分にご説明し、患者様にご納得いただいたうえで治療を開始しています。
「できるだけ傷跡を残さずにタトゥーを薄くしたい」「アートメイクを修正したい」「除去できるか相談したい」という方は、お気軽にご相談ください。一人ひとりのお悩みに合わせた治療をご提案いたします。
統括部長 牧野莉央
