「頬に薄茶色のシミが広がっている」
「シミだと思ってレーザーを受けたら濃くなった」
このようなお悩みの原因として考えられるのが「肝斑」です。
肝斑は一般的なシミ(老人性色素斑)とは発症メカニズムや治療法が大きく異なるため、正しい診断と適切な治療が非常に重要です。
今回は肝斑の特徴と、当院で行っているルビートーニングや内服・外用治療についてご紹介します。

◎肝斑とは?
肝斑は、主に30~50代の女性に多いです。
頬骨のあたりに左右対称性に現れることが特徴で、境界が比較的ぼんやりとした薄茶色の色素斑として見られます。
「シミ」とひとまとめにされることが多いですが、老人性色素斑とは全く異なる病態です。
◎肝斑ができるメカニズム
老人性色素斑の主な原因が紫外線によるメラニンの蓄積であるのに対し、肝斑はさまざまな要因が複雑に関与しています。
代表的な要因として、
・紫外線
・女性ホルモンの影響
・妊娠や出産
・摩擦刺激(洗顔やスキンケア時のこすりすぎ)
・慢性的な炎症
などが考えられています。
◎肝斑と老人性色素斑の治療法の違い
肝斑治療で最も重要なのは「正しい診断」です。
老人性色素斑の場合はQスイッチルビーレーザーなどでメラニンを強力に破壊する治療が有効です。
一方で肝斑に対して同じような高出力レーザーを照射すると、炎症が誘発されてかえって色素沈着が悪化してしまうことがあります。
そのため、
老人性色素斑→ シミを破壊する治療
肝斑→ メラノサイトを刺激しないようにコントロールする治療
という考え方になります。
一見似ているように見えても、治療方針は大きく異なります。
◎ルビートーニングとは?
当院では肝斑治療の選択肢としてQスイッチルビーレーザーを用いた「ルビートーニング」を行っています。
ルビートーニングとは、通常のシミ取りレーザーのような高出力照射ではなく、低出力のレーザーを均一に照射する治療です。
メラノサイトへの過度な刺激を避けながら、少しずつメラニンを減少させていきます。
肝斑治療では「強く治療する」のではなく、「刺激を最小限にしながら改善させる」ことが重要です。
そのため、1回で劇的に改善する治療ではなく、複数回の治療を重ねながら徐々に色調改善を目指します。
◎トラネキサム酸とは?
肝斑治療の基本となる治療の一つがトラネキサム酸の内服です。
トラネキサム酸は、もともと止血剤として使用されていた薬ですが、メラノサイトを刺激する炎症性物質の産生を抑える作用があります。
その結果、過剰なメラニン産生を抑制し、肝斑の改善が期待できます。
肝斑治療においては世界的にも広く使用されている治療法であり、レーザー治療と併用することで相乗効果が期待できます。
ただし、
・血栓症の既往がある方
・ピルを内服している方
・その他リスク因子を有する方
では慎重な判断が必要となります。
◎TAホワイトクリームMDとは?
当院では外用薬としてプラスリストアのTAホワイトクリームMDも取り扱っています。
TAホワイトクリームMDにはトラネキサム酸が配合されており、肌表面で生じる炎症や色素沈着にアプローチします。
さらに保湿成分も配合されているため、肌のバリア機能をサポートしながら日常的なスキンケアとして使用できます。
◎肝斑治療で大切なこと
肝斑は日常生活の刺激や紫外線、ホルモンの影響などが関与しているため、
・強くこすらない
・十分な紫外線対策
・適切なスキンケア
・継続的な治療
が非常に重要です。
また、肝斑と老人性色素斑が混在しているケースも少なくありません。
その場合はそれぞれの病変に対して適切な治療を組み合わせる必要があります。
☆まとめ
肝斑は老人性色素斑とは異なるメカニズムで発症する色素沈着であり、治療法も大きく異なります。
一般的なシミ治療のように強いレーザーを照射すると悪化する場合があるため、正確な診断が重要です。
当院ではQスイッチルビーレーザーを用いたルビートーニングをはじめ、トラネキサム酸内服やTAホワイトクリームMDなどを組み合わせ、一人ひとりの状態に合わせた肝斑治療をご提案しております。
「このシミは肝斑なのか、それとも普通のシミなのか分からない」という方も、お気軽にご相談ください!
統括部長 牧野莉央
