―美容皮膚科学会で学び直した最新のマイクロバイオーム研究から―
ニキビは「アクネ菌が増える病気」と思われがちですが、最新の美容皮膚科学では、もっと複雑で、もっと興味深いメカニズムが明らかになってきました。
先日の美容皮膚科学会で、ざ瘡のマイクロバイオーム(皮膚の菌叢)について改めて学び直しました。 その内容が、当院のニキビ治療にも深く関わる重要なポイントでしたので、共有します。
健常皮膚とニキビ皮膚の「菌のちがい」
● 健常皮膚
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Cutibacterium属が最多でその 99%が C. acnes(アクネ菌)
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つまり常在菌であるが炎症は起こしていない状態
● ニキビ患者の皮膚表面
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アクネ菌の量は健常人と大きく変わらない
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しかし 炎症を起こしている病変部ではアクネ菌が極端に増加
つまり、 皮膚表面では菌の量は大きく変わらないのに、病巣部だけ“菌のバランスが崩れた状態(dysbiosis)”になっている という研究について発表されていました。
真菌(カビ)のバランスはどうか?
健常皮膚では Malassezia restricta が優位ですが、 ニキビ患者の皮膚表面では 健常人と有意差なし。
ただし、ここで興味深い事実があります。
マラセチアはアクネ菌より“脂質を強く分解する”
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大きさは アクネ菌の約60倍
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リパーゼ活性は アクネ菌の180倍
つまり、 皮脂を強く分解し、炎症を起こしやすい環境をつくる可能性がある ということです。
脂漏性皮膚炎だけでなく、 「ニキビにも関与しているのでは?」 という臨床的疑問を挙げられていました。
抗菌薬+抗真菌薬の併用で何が起きるか?
結果として、 マラセチアが関与している可能性のある症例では
併用で炎症の改善効果が期待できる 可能性が示唆されました。
これは、
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アクネ菌による炎症
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マラセチアによる脂質分解
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皮脂環境の乱れ
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局所的な菌叢の破綻(dysbiosis)
これらが複合的にニキビを悪化させている可能性を示唆します。
ただし、 これはあくまで絶対数が少数の観察であり、エビデンスレベルとしては高くありません。 今後、より大規模な検討や前向き研究によって、 ニキビ治療における抗真菌薬併用の有効性が確立されることを期待しています。
当院のニキビ治療は「菌のバランスを整える」ことを重視しています
ニキビは “菌が多い”のではなく、“菌のバランスが崩れている”病気 という考え方が、近年の研究でより明確になってきました。
そのため当院では、
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アクネ菌の炎症を抑える治療
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皮脂環境を整える治療
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マイクロバイオームの乱れを是正する治療
を組み合わせて行っています。ぜひご相談ください
院長 髙田健正
