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顔の赤みと酒さについて

顔の赤みと酒さ ― 特徴・鑑別・病態をわかりやすく解説します

顔の赤みを主訴に来院される患者さんは多く、原因はさまざまです。 その中でも「酒さ(しゅさ)」は、持続する紅斑や毛細血管拡張、丘疹・膿疱を特徴とする慢性炎症性の皮膚疾患です。 中年女性に多く、ゆっくりと経過することが多いため、早期の見極めが大切です。

 

■ 酒さの診断の基本

酒さは、以下の症状を中心に診断します。

  • 顔面の紅潮(フラッシング)

  • 持続性の紅斑

  • 毛細血管拡張(テランジエクタジア)

口周りや鼻唇溝に限局する場合は 口囲皮膚炎 を考えます。 また、ステロイド外用歴がある場合は 酒さ様皮膚炎、なければ酒さを疑います。

 

■ 酒さのタイプ別特徴

● 紅斑・毛細血管拡張型(ETR)

  • 赤みがある

  • 毛孔が開大して見える

  • 赤みが日によって変動する

  • 強い浸潤は触れない

  • 色素沈着が少ない

  • かゆみは目立たない

● 丘疹・膿疱型(PPR)

  • 丘疹が比較的小型で均一

  • 規則的に分布する

  • 紅斑を伴う

  • 面皰はない(ニキビとの重要な違い)

 

■ 酒さの鑑別診断

酒さは他の皮膚疾患と似て見えることがあり、慎重な鑑別が必要です。

● 持続性紅斑がある場合の鑑別

  • 接触皮膚炎

  • 脂漏性皮膚炎

  • アトピー性皮膚炎

  • 光線過敏症

  • 多形紅斑

  • エリテマトーデス

  • 皮膚筋炎

  • 丹毒

● 丘疹・膿疱がある場合の鑑別

  • ざ瘡(ニキビ)

  • 好酸球性毛包炎

  • サルコイドーシス

  • 顔面白癬

 

■ 酒さの病態 ― なぜ赤くなるのか

酒さの背景には、神経・免疫・微生物が複雑に関与しています。

● 1. 神経系の関与

紫外線、温度変化、ストレス、心配事などの刺激で 神経ペプチドが放出 → 血管拡張 → 赤みが出る

● 2. 免疫反応

皮膚の炎症反応が亢進し、紅斑や丘疹が出現します。

● 3. 微生物(Demodex:毛包虫)

毛包虫が増殖すると、その共生細菌が皮膚の微生物環境を変化させ、 酒さの病態形成に関与している可能性が示唆されています。

■ まとめ

酒さは、慢性の赤み・毛細血管拡張・均一な丘疹を特徴とする皮膚疾患です。 ニキビや皮膚炎と似て見えることも多いため、症状の分布・経過・触診所見を丁寧に確認することが診断の鍵になります。

赤みが続く、日によって赤みが変動する、ニキビとは違う小さな丘疹が出る―― こうした症状がある場合は、酒さの可能性があります。

赤ら顔の治療方法については、内容が多岐にわたるため、 詳細は別記事にて丁寧に解説しております。 本記事では診断・特徴・病態に絞ってご紹介しました。

院長 髙田健正